浄土真宗と日本人の合理性

2018年11月28日 カテゴリー:住職のおはなし

真宗教団は日本人の合理的思考を促してきたか? —近江商人と浄土真宗そして近江の被差別部落の皮革業を通して— はじめに 差別(行為)の定義には多様なものがあり一言で表現するのは容易ではないが、野口道彦氏によると ① 個人の特性によるのではなく、ある社会的カテゴリーに属しているという理由で ② 普遍的な価値・規範(基本的人権)に反する仕方で ③ もしくは合理的に考えて状況

浄土真宗における一向一揆の意味

 カテゴリー:住職のおはなし

日本と北米における社会での宗教の役割の違い かつて、開教使としてカナダにおいて寺院活動をしていたとき、痛切に感じたことがある。 それは、北米の人々の宗教に対する期待感の強さということである。社会が、なにかあると宗教に対して(特にキリスト教に対して)指針を求めるということが当然の事として行われる。社会現象に対して宗教者がコメントするということは新聞紙上ではあたりまえのことであるし、大学のキャンパスで

カナダ年末年始追想

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北米のお正月はあっけなくやってきます。 キリスト教文化の地域ですからクリスマスは盛大です。10月末にはもう街のあちこちで飾り付けが行われ、12月にはいると多くの家々で色とりどりの工夫を凝らした電球による窓飾りが街に彩りを添えます。私が本願寺の開教使として赴任していましたカナダでは、まず間違いなく雪に覆われた時期ですので、夜、街を歩くと家々の赤や青の電球が雪の地面に光を落とし幻想の世界を行く趣があ